本日!海日和!!Vol 75「ニコニコ笑顔」

【テンクロスジギンポ】
2月5日は、ニコニコで「笑顔の日」らしい。笑う生き物は人間だけだと言われているが、海の中には、いつも笑っているように見える魚がいる。
テンクロスジギンポがその一つである。口角が上がっているためか、不思議と笑っているように見える。10cmくらいの細長い体をしていて、サンゴに空いた穴の中に住んでいる。顔を出したり引っ込めたりしながら周囲の様子をうかがっているさまは、まるでモグラたたきのようである。
安全を確認すると穴から出てきて食事をするが、その方法が変わっている。他の魚に近づいて、ヒレやウロコをかじりとってしまうのだ。そのために、このような口の形に進化したのだろう。そう思うと、不敵な笑いにも見えてしまう。
なにはともあれ、眉間にしわを寄せていることの多い私としては、テンクロスジギンポを見習い、いつも笑顔で過ごしたいものである。
(撮影地:鹿島)愛南サンゴを守る会 西尾知照